今回はストキャスティクスについて解説します。
ストキャスティクスは『買われすぎ』『売られすぎ』を判断する
為替は買われたり売られたりすることによって、値が動きます。
ストキャスティクスは、この動きが『買われすぎている』『売られすぎている』ということを判断し、トレードに生かすテクニカル分析手法です。
ストキャスティクスはローソク足とは別に表示されます。
%K (水色)
%D (赤)
S%D (黄色)
これら3つのラインがありますが、ストキャスティクスで使うのはこのうちの2本だけです。
組み合わせによって呼び方が違う
使うラインの組み合わせは2通りあります。
%Kと%Dを使う『ファストストキャスティクス』
まず一つ目が、%Kと%Dを使うパターンです。
この組み合わせを『ファストストキャスティクス』と呼びます。
%Kはある期間の最高値と最安値の値幅の中で、現在値がどこにあるかを示したもので、ラインがガタガタしているのが特徴です。
%Dは%Kの移動平均線で%Kを滑らかなラインにしたものです。
%DとS%Dを使う『スローストキャスティクス』
2つ目が%DとS%Dを使うパターンです。
この組み合わせを『スローストキャスティクス』と呼びます。
%Dと%Dの移動平均線であるS%Dを使います。
ファストストキャスティクスに比べるとスローストキャスティクスの方が滑らかなラインを描きます。
2つの違いは何?
ファストストキャスティクスとスローストキャスティクスは考え方も使い方もほぼ同じで、大きな違いはありません。
違う点は、感度です。
ファストストキャスティクスの方が感度がよく、相場に敏感に反応します。
その反面、感度がよすぎるためにダマシが発生しやすいのです。
スローストキャスティクスはファストストキャスティクスに比べると感度が低くダマシが発生しにくいという特徴があります。
ただし、ファストストキャスティクスに比べると売買サインのタイミングが遅いというデメリットが有ります。
ストキャスティクスを使ったトレード方法
今回は見やすいスローストキャスティクスを使って解説をします。
売買サインを覚えよう
ストキャスティクスの売買サインはラインのクロスです。
%DがS%Dを下から上へ抜ける=買いサイン(ピンク)
%DがS%Dを上から下へ抜ける=売りサイン(水色)
となっています。
買われすぎ・売られすぎの判断ポイント
記事の冒頭でも挙げたようにストキャスティクスは『買われすぎ』や『売られすぎ』を判断するテクニカル分析です。
スローストキャスティクスでは、
%Dが80以上になる=買われすぎ
%Dが20以下になる=売られすぎ
と考えられています。
この考え方を売買サインに合わせると
80以上で%DがS%Dを下から上へ抜ける=強い買いサイン
20以下で%DがS%Dを上から下へ抜ける=強い売りサイン
となり、これらのサインは信憑性が高い売買サインとされています。
ストキャスティクスはレンジ相場に強い
ストキャスティクスはRSIなど、他のオシレーター系テクニカル分析と同様にトレンド相場に弱く、レンジ相場に強いという特徴を持ちます。
上記の画像は強い上昇相場でのストキャスティクスですが、ダマシが少ないといわれるスローストキャスティクスでも、多くのダマシである売りサインが出ています。
こちらはレンジ相場でのストキャスティクスです。
売買サインがしっかりと機能していますね!
このように、ストキャスティクスはレンジ相場に強い力を発揮します。
トレンド系のテクニカルと組み合わせて使うのがおすすめ
トレンド相場に弱く、レンジ相場に強いストキャスティクスは、移動平均線やMACDといったトレンド系のテクニカル分析と組み合わせて使うのをおすすめします。
例えば、移動平均線やMACDでトレンドの確認をした上で、ストキャスティクスでトレードをしましょう。
移動平均線やMACDで上昇トレンド(買いサイン)が出ている間は、ストキャスティクスも買いサインのみトレードします。(売りサインはトレードを見送る)
これでトレンド相場でもストキャスティクスを上手く使うことができます。
ということで今回はストキャスティクスについてでした。
テクニカル分析は完璧ではありません。
得意な分野もあれば苦手な分野も必ず有ります。
そんな苦手を補うように、上手にテクニカル分析を使ってみてください。