今回はダウ理論について解説します。
元々、株に対して使われていたダウ理論ですが、FXの値動きにも通用するためFXトレーダーでも意識している人が多い分析方法です。
ダウ理論は6つの法則から成る
ダウ理論は6つの法則から成ります。
市場(為替レート)はすべての情報を織り込む。
指標発表や要人発言といったファンダメンタルズは、FXで取引する上で重要視されます。
このファンダメンタルズの動きというのは、必ず為替レートの値動きに反映されます。
つまり、値動きはファンダメンタルズの情報を織り込んだ上で作られるということです。
為替レートの値動きというのは、チャートを見ればわかりますよね!
ということは、チャートを見ていればファンダメンタルズの情報すべての値動きがわかるということになります。
トレンドの種類は3種類ある。
ダウ理論では上昇トレンド・下落トレンドという分類とは別に、トレンドの長さから見た種類わけがされています。
・1年~数年にわたって続く「主要トレンド」
・数週間~数ヶ月程度続く「二次トレンド」
・1時間から~1ヶ月程度続く「小トレンド」
上記の3種類に分けられます。
二次トレンドは長期トレンドの調整役となり、メイントレンドとは逆方向への動きであることが多いです。
ドル円の月足チャートです。
5年ほど続く長期的なメイントレンド(ピンク)の中に、二次トレンド(水色)が形成されています。
二次トレンドは、一時的な戻しの部分になっていますね!
トレンドには3つの局面がある
ダウ理論では、値動きを起こしている投資家事情にも注目し、そこからトレンドには3つの局面があると分析しました。
~1段階~
市場全体の動きに対して、一部の投資家達が先行して買い始める。
先行した買いがはじまったため緩やかではあるが値が動き始める。
~2段階~
1段階の値動きを見て、市場全体がその動きへ追従しようとする。
追従しようとする投資家が買うため、大きな値動きが起こり、結果的に急騰する。
~3段階~
2段階での急騰を受けて、一般の投資家達も意識し、参加しはじめる。
新聞やニュース等で「強気な買い」といった報道も始まります。
ただし、このタイミングで1段階で買いをした先行投資家たちは売る動きを見せるため、いずれはトレンドが終息する。
ドル円の日足チャートです。
動きのゆるやかな1段階(ピンク)、急騰をみせる2段階(水色)、トレンドの終息が近い3段階(黄緑)の3つのトレンドが見られます。
トレンドは明確な終わりのシグナルが発生するまで続く
上昇トレンドの最中に、少し陰線が見えたとします。
その陰線を見るだけで、トレンドが終わっているのか、押し目を形成しているだけなのかというのを判断するのは難しいことです。
トレンドの終わりというのは陰線だけをみるのではなく、その陰線を含めた値動き全体を見る必要があります。
つまり、「木を見て森を見ず」ではなく、「木を見て森も見る」というのが大切なんです。
上昇トレンドでは、高値の更新・安値の切り上がりがある
下落トレンドでは、安値の更新、高値の切り下げがある
上昇トレンドから下落トレンドへの転換は、高値更新ができず、安値を更新してしまう
下落トレンドから上昇トレンドへの転換は、安値更新ができず、高値を更新してしまう
トレンドは出来高によって確認できる
出来高はトレンドの方向に沿って増減すると考えらています。
~上昇トレンド~
出来高が増加すれば価格も上昇し、強い上昇トレンドになる。
出来高が減少すれば価格も下落し、弱い上昇トレンドになる。
~下落トレンド~
出来高が増加すれば価格も下落し、強い下落トレンドになる。
出来高が減少すれば価格も上昇し、弱い下落トレンドになる。
出来高はFXではあまり関係ないという見方もされています。
2つの平均からシグナルを確認しなければならない
これは株式特有のもので、2つというのは「NYダウ」と「鉄道株平均」の2つのシグナルを見た上でトレードしましょうというものです。
FXでは通貨ですし、単独でトレンドを形成していくので関係ないとされています。
ですが、ちょっと読み取りかたを変えて、複数の時間足や複数の関係する通貨(ドル円で取引するなら、ユーロドルやユーロ円)を確認して方向性をチェックしてからトレードする、という意味でとってもよいですね。
ということで、今回はダウ理論についてでした。
(5)(6)は株特有の考え方でもあるので、主に(1)~(4)についてしっかり覚えておきましょう!