最近仲良い友人が副業で儲ける系の雑誌に触発されたのか「おれもFX始めるわ!!」とラインしてきました。
「損すると思うよw」「いくらで始めるの?」と聞いたら、「5万円で始めて1年で100万にしたる!!」と・・・・・
いや、勢いは凄い良いと思いますよ?
スタンプも楽しそうでしたしw
ただ、、、、とても現実感がありません。
リスクを最大限に取ったら5万円は1年で何倍に出来るのか?
FXの教科書的に書けば、これから始めたい人には「レバレッジは抑えて取引しましょう」「最初は1000通貨でトレードしてみましょう」というのが正解だと思います。
また、資産運用としてのFXと考えれば、レバレッジを掛け過ぎない事や資金管理をしっかりしてトレードする事は当然でもあります。
⇒FXで勝つ為に必須の資金管理方法、マネーマネジメントを覚える!
FXをパチンコ・競馬等のギャンブルと一緒と考える人
ただし、私の友人のような「全力で夢みたいタイプ」や、人によっては、FXを始めるきっかけが競馬やパチンコなどのギャンブルと同じ感覚の人もいますよね。
「俺はとにかく一か八かで大きな金額を稼ぎたいんだ!!!」と。
この気持ちは凄い分かります。
「FXを始めようかなー?」と思った時に誰もが100万円や200万円、はたまた1000万円という大金を用意出来る訳ではないですからね。
(少額資金で始める方はギャンブル性高いトレードになってしまう人多い印象)
私がFXを始めた当初は、レバレッジ上限がまだ100倍の頃でしたから余計にギャンブル性が高かったんですよ。(法律改正で現在の上限は25倍です)
まぁ一瞬勝ててもすぐに資金が底を尽きて手法の転換を余儀なくされてですね・・・。
結果的にはそれで真剣に勉強・研究を始めたから良かったものの、絶望感ややさぐれ感は半端ないですよこういう時の。
今でもバイナリーオプションでは結構この種の失敗をしてしまう事もあります。
(上手く行くこともありますよ)
⇒バイナリーオプションで15万円損した・・・
⇒バイナリーオプションの必勝法!(仮)1万円を10万円に増やした手法を公開!
5万円から始めて何回のトレードで100万円に出来るのか?を考える
話がちょっとズレましたが、「リスクを最大限に取ったら5万円は1年で何倍に出来るか?」です。
これは”1年で”を”何回のトレードで”に変えて考えてみた方が分かりやすいです。
5万円は何回のトレードで100万円に出来るのか?で考えます。
1年間でトレード出来る回数なんて無数にあると同時に、値動きによってチャンスが左右されてしまいますからね。
米ドルを1万通貨買うのには44000円必要(※1ドル110円計算)
5万円あると、レバレッジ上限最大の25倍で米ドル円を取引した場合、1万通貨が購入できます。
(1ドル110円の場合、必要証拠金は44000円。1万通貨単位のFX業者のケース)
※1ドル100円になれば4000円、1ドル120円になれば48000円と必要証拠金が変動していきます。
連戦連勝の夢物語プランのシミューレーションをしてみた
簡単にシミュレーションしてみました。夢物語プランです。
1万通貨あた44000円必要になるので、88000円を超えた時点で2万通貨、132000円を超えた時点で3万通貨と発注数量を増やしていくイメージです。
いわゆる複利運用ですね。
獲得pipsが100pipsというのは、1ドル110円から111円に1円動いて儲かった事、30pipsなら1ドル110円から1ドル110.30と30銭儲かった事を表します。
この表は5万円で1万通貨ポジった所からスタートです。
例えば「1トレードあたり30pipsで利確」の2連勝で3000円×2の6000円の利益って感じです。
そのまま連勝続けて行くと、13連勝したあとの軍資金が89000円になった所で、今度は2万通貨ポジれるので、次の30pipsは×2万通貨で6000円の利益にしてます。
1取引あたりの利益確定幅をそれぞれ30pips、50pips、100pipsとパターン化して、違いを出してます。
連勝数\獲得pips | 30pips | 50pips | 100pips |
---|---|---|---|
1 | 53000 | 55000 | 60000 |
2 | 56000 | 60000 | 70000 |
3 | 59000 | 65000 | 80000 |
4 | 62000 | 70000 | 90000 |
5 | 65000 | 75000 | 110000 |
6 | 68000 | 80000 | 130000 |
7 | 71000 | 85000 | 150000 |
8 | 74000 | 90000 | 180000 |
9 | 77000 | 100000 | 220000 |
10 | 80000 | 110000 | 270000 |
11 | 83000 | 120000 | 330000 |
12 | 86000 | 130000 | 400000 |
13 | 89000 | 140000 | 490000 |
14 | 95000 | 155000 | 600000 |
15 | 101000 | 170000 | 730000 |
16 | 107000 | 185000 | 890000 |
17 | 113000 | 200000 | 1090000 |
※1万通貨あたりの必要証拠金44000円、88000円を超えたら2万通貨へ増やす、以後3万・・・4万通貨・・・・ | |||
※pipsの意味が分からない場合は、ひとまず100pips=1円、30pips=30銭と考えて下さい |
この表を作ってる途中に「バカなのかな?」と思えてきました。笑
現実感ゼロですが、「5万円を1年後に100万円にする!」といったプランがほぼ不可能な事の証明になっている気がします。
5万円でデイトレードしたからといって急激には資産は増えない
FXの初心者には特にデイトレードが人気ありますが、30pips取るトレードを繰り返しても、これだけ連勝したところでそんなにガツンとは増えないよって事です。
「ご利用は計画的に」ではないですが、長期的な視野にたってFX取引を考える事をおすすめします。
だって、1円抜き(100pips)のトレードがこんだけ上手く行って、やっと5万円⇒100万円の達成ですからね。
レバレッジ100倍時代ならありえたかも
「おれは5万から100万円に短期間で増やしたよ」って方がいたとしたら、それはもしかしたらレバレッジ規制が入る前、現行制度の25倍ではなく、上限が100倍だった2010年以前の可能性が高いと思います。
レバレッジ100倍使うと、5万円の軍資金で大体5万通貨のポジションを取る事が出来たんですよ。
ですので、1円抜き(100pips)したら一気に資産が2倍になります。
5万円⇒10万円です。
そして、元手10万円なら10万通貨のポジションが取れるので、再度100pips抜いたら10万円⇒20万円に増えます。
まぁこのダイナミックさがあった時代に、多くのトレーダーがリーマンショック等と一緒に地獄に葬られた訳ですが・・・懐かしい!
実際にはFXで資産が増えていく時は押し目を作る
FXのチャートを勉強していくと、色々なパターンがある事に気が付きます。
そして、これは何も為替相場に限定した話ではなく、資産チャートでも似たような感じになります。
※作成時間3秒・・・
「綺麗な右肩上がりに増えた」なんてのはありえなくて、資産チャートも押し目を作りながら増えていくのが普通です。
これはFXでは100%勝てるなんて無理で、FXの売買ルールの作り方の中で触れている「損切りが大切」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、上手く負けを認めつつ、トータルでは勝ち続けるのが長期的に資産を増やせる人です。
なので、まぁ先ほどの連戦連勝プランは夢物語ですが、リアルな感じでは、1回あたりの利益=損失なら2勝1敗で行ければ1年間で3倍くらいは5万円からなら十分狙えます。
損小利大のトレードなら1勝1敗のペースでも同じような数字は狙えます。
これが1000万円等超えてくると、「5万円の時と同じ思い切ったリスクは取れなくなる」ので、収益率で言うと鈍化してきますが、収益額で言えば大きいって感じです。
レバレッジを上限25倍近く使ってFX取引する際の注意点
レバレッジ25倍使った時の追証発生・強制決済ライン
当然ですが、買ってから望み通りの方向に行くとは限りません。
むしろこの”ギャンブルプラン”では追証や強制決済される可能性が非常に高いです。
まぁ一攫千金プランなので仕方がないです。
「追証」と「強制決済」を解説する上でキーになるのは下記です。
※今回は米ドル円を例にしてますが、他の通貨ペアでも同様です
必要証拠金・・・米ドル円1万通貨を購入する為に必要な元手資金・軍資金。
証拠金維持率・・・必要証拠金と現在のFX口座内の資金を比較して何%なのか?という一種の物差し。
必要証拠金については、先ほど元手資金が5万円なら1万通貨前後の米ドル円が購入できますと書きましたが、まさにこれです。
どのFX会社でも最大レバレッジは25倍なので、この数字は変わりません。
口座開設後にマイページにログインすると為替レートの変動に追随して、日々更新されているのが分かります。
例:1ドル110円×1万米ドル=110万円 110万÷25=4万4千円
1万通貨あたりの必要証拠金=4万4千円
※DMMFXなら証拠金判定のシミュレーションがアプリから可能です
証拠金維持率100%を割ったままだと追証が発生、その後強制決済
証拠金維持率=有効証拠金÷必要証拠金×100%になります。
ですので、現在FX口座内に5万円あったとして、ドル円の必要証拠金が4万4千円なら証拠金維持率は113.6%となります。
そして、証拠金維持率100%を割ったまま、判定時刻(FX各社指定の時刻が異なる)を迎えると追証になります。
追証は追加証拠金の略で、必要証拠金に対して、口座内のお金が足りていませんよ!だから入金してくださいね!って意味です。
ポジションどうでも良いなら入金しなくても大丈夫ですが、その場合は「強制決済」になります。
これは追証に応じてくれなかったユーザーのポジションをFX会社が強制的に決済処理しますよって意味です。
追証⇒強制決済の流れです。
詳しくは下記にて。
⇒証拠金維持率何%で自動ロスカットかでFX口座を比較!【追証とは?強制決済とは?】
複利運用はメリットにもなるが、負けた時のリスクも大きくなる
あとは、今回のようなシミュレーションするときに複利運用でガンガン考えてしまったりするのですが、FXの場合は、ある程度同じポジション数量でトレードしていった方が良いです。
というのも、例えば20回取引して、10勝10敗だったとして、です。
全て1万通貨で取引していれば損益はプラスマイナス0になります。
しかし、途中から2万通貨と発注数量を増やしていて、もしその時に負けたとしたら、「むしろマーイ(ナス)」です。
その時に勝ったらむしろプーラ(ス)?な訳ですが、まずはリスクから考えていった方が戦略的なので、ちょっと勝てたからといってポジション数量を増やすのはおすすめしません。
1ヶ月で30%増やせたら1万5千円だし、12ヶ月で18万円の利益だよ
という訳で、現実感が乏しくてちょっと愛しい夢プランとともにズラズラと書いてきましたが、5万円からFXを始めても、1ヶ月で30%増やせたらそれで1万5千円の利益って事をお伝えしたいです。
自由に使えるお小遣いが1万5千円/月増えたら嬉しいですよね。
(しかも複利計算ではなく、単利でこれ)
そして、1ヶ月間で30%増やすと考えたら、「チャンスを待てば良い」ですし、「チャンスを待てる」訳です。
テクニカル分析(チャート分析)を勉強しながら相場を眺めていたり。
無理しないプランの良さがここにあります。
この間みたいにどんどん円高が進んでいった時でも、ちょっと落ち着くまで待てる訳ですし、どんどん落ちている時にちょっと低いレバレッジでショート(空売り)してみても良いですし。
「自由度が上がる」のが「余裕を持ったトレード」のメリットであり、「ちょっと物足りないな・・・」ってくらいでも「勝っていけば思いのほかお金は増える」訳です。
もし、FX始めてみたいな、5万円なら用意出来るな、という方がいたら、まずは1ヶ月で30%=1万5千円の利益を目指して頑張ると良いと思いますよ。
本当なら月10%目標くらいが”狙いたいレベルの目標”でもありますが、さすがに元手5万円で月5000円の利益取ってもトレードに向き合っている時間が勿体無いので、もう少しリスク取りに行って良いと思います。
という訳で、冒頭の友人にはこの後この記事のURLを送って目を通してもらいますー(笑)
小さく始めて大きく育てようぜ!時間かかってもいいじゃん!って伝えたい。
そして、上手く行ったら資金追加して、本格的な資産運用のスタートが出来ますから。
投資はお金持っているやつの方が有利だよーの意味
時々こんな会話・言葉を耳にした事がありませんか?
投資やるならいくら必要?
株なら300万、FXでも100万はあった方が良いかな~
え、そんなにお金ないとダメなの?
あった方が有利だよ
これってなぜだと思いますか。
FXより株の方がお金が必要って言うのは、僕はあまり関係はないと思ってますよ。
ただ、こういう事言う人は、株の場合は、ポケモンGOで人気になった任天堂のように、”最低数百万円”ないと買えない株が存在するのを意識しているのだと思います。
※現在値が26800円だが、売買単位が100株単位なので、268万円必要
買いたい株が買えない可能性があるって事ですね。
その点、FXならドル円のようなメジャーなものから、南アフリカランド円といったマイナーなものまで、どんな通貨ペアでも比較的少ない元手資金で買うことが出来ます。
そして、1万通貨単位業者なら4~5万円程度、1000通貨単位業者なら4000円~5000円でポジションを取る事が可能です。
つまり、「何に投資するか?」において、”資金が多い・少ない、金持ち・貧乏による制約が少ないのがFX”のメリットでもあります。
(株は数百円で買えるものから数百万円のものまで差が大きく、ある程度お金ないと選択範囲が狭くなります)
もう1つの理由は、先ほども僕は5万円の軍資金でFXを始めるなら1000通貨単位のFX業者が良いと言いましたが、それは資金管理の観点から大切だと思うからです。
投資で成果を上げている人は、資金管理の重要さをしっかり理解しています。
どれくらい余裕を持って投資出来るか」が、相場で利益を上げる・生き残る為に非常に重要なのです。
そして、「負けた後にも同規模の発注量で勝負出来るかどうか」が大切です。
初心者で退場する人で多いケースは、レバレッジを最大に設定して注文するも、勝負に負ける事で、発注量が段々尻すぼみしていきます。
(最初は2万通貨⇒1万通貨⇒5000通貨⇒3000通貨・・・・)
この状態だとまず勝ちにいけません。
2万通貨で為替レートが1円変動して負けたら2万円の損失ですが、その後、1万通貨で2万円勝とうと思ったら2円の変動が必要です。
その繰り返しですから、苦しい勝負になりますよね。
勝てている時はそりゃー問題ないんですが、”常にいっぱいいっぱいの状態”だと、負けたあとのリカバリーが大変って事です。
例えば、最初から5000通貨で取引していたら、負けたとしても、2回目の勝負でも同じ5000通貨を発注する事が出来ます。
同じ発注量で勝負出来ます。
また、余裕を持って最初のポジションを取っているからこそ、相場でチャンスが来たら、追加発注を入れて大きく勝つ事も可能です。
勝負事において、最初に手の内を全て明かすのはバカって事につながる考え方になるかなと。
ですので、5万円でFXを始めるなら、レバレッジギリギリになる1万通貨ではなく、1000通貨単位のFX業者から選ぶべきなんですね。
全ては資金管理を考えて、取引するからです。
そして、10万円あったらもっと余裕のある取引が出来ますし、また、10万円なら1万通貨単位のFX業者を使ってもレバレッジ的には10倍前後なので、問題はないと思いますよ。
じゃあ20万円あったらもっと有利じゃない?
30万円あったら?
と思う方は、FXを始めるタイミングを1~2ヶ月ズラして、その間にお金を少しでも貯めると良いと思いますよ。
FXにはデモトレードを用意している業者もあるので、ここで口座開設をした上で、お金を貯めている間にトレードの練習をする事も可能ですからね。