FX口座別の自動ロスカットされる証拠金維持率の水準を調べ、比較表を作成致しました。
また、自動ロスカットとは何か?強制決済とは?追証とは?といった専門用語についてもその下に掲載してありますので、まだFXに慣れていない方などは是非ご覧ください。
それでは、まずは各社の自動ロスカットされる証拠金維持率の比較から行きましょう。
FX業者毎の自動ロスカットされる証拠金維持率の水準
FX会社 | 口座開設 | ロスカットアラートメール | 自動ロスカット | 強制決済執行日時 (証拠金維持率100%未満) |
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GMOクリック証券 | 公式サイト | 証拠金維持率が100%を下回るとアラート | 証拠金維持率が50%を下回ると執行 | 追証判定後、午前3時に執行 |
DMMFX | 公式サイト | - | 証拠金維持率が50%を下回ると執行 | 追証判定後、AM4:59に執行 |
YJFX! | 公式サイト | 証拠金維持率が100%を下回るとアラート | 証拠金維持率が50%を下回ると執行 | 追証判定後、24時に執行 |
FXプライムbyGMO | 公式サイト | - | 証拠金維持率が80%を下回ると執行 | 追証判定後、ニューヨーククローズ時点に執行 |
ヒロセ通商 | 公式サイト | - | 証拠金維持率が100%を下回ると執行 | - |
SBIFXトレード | 公式サイト | - | 証拠金維持率が50%を下回ると執行 | 追証判定後、ニューヨーククローズ30分前に執行 |
外為オンライン (L25R、L25Rminiコース) | 公式サイト | - | 証拠金維持率が100%を下回ると執行 | - |
外為ジャパン | 公式サイト | - | 証拠金維持率が60%を下回ると執行 | 追証判定後、AM4:59に執行 |
外為どっとコム | 公式サイト | 証拠金維持率が200%を下回るとアラート | 証拠金維持率が100%を下回ると執行 | 追証判定後、ニューヨーククローズ時点で執行 |
マネーパートナーズ | 公式サイト | - | 証拠金維持率が40%を下回ると執行 | 追証判定後、18時に執行 |
マネースクウェアジャパン | 公式サイト | 証拠金維持率150%未満でアラートメール | 証拠金維持率が50%を下回ると執行 | 15時時点で証拠金維持率100%未満だと執行 |
マネックスFX | 公式サイト | 証拠金維持率90%未満でアラートメール | 証拠金維持率が50%を下回ると執行 | 追証判定後、18時に執行 |
みんなのFX | 公式サイト | - | 証拠金維持率が100%を下回ると執行 | - |
セントラル短資FX | 公式サイト | - | 証拠金維持率が100%を下回ると執行 | - |
ライブスター証券 (レバレッジ25倍コース) | 公式サイト | - | 証拠金維持率が25%を下回ると執行 | 追証判定後、ニューヨーククローズ25分前に執行 |
JFX | 公式サイト | - | 証拠金維持率が100%を下回ると執行 | - |
岡三オンライン証FX | 公式サイト | - | 証拠金維持率が30%を下回ると執行 | 調査中 |
FXブロードネット (ブロード25、25ライト) | 公式サイト | - | 証拠金維持率が20%を下回ると執行 | 追証判定後、午前6時45分に執行(冬時間) |
インヴァスト証券 (トライオート) | 公式サイト | 証拠金維持率120%未満でアラートメール | 証拠金維持率が50%を下回ると執行 | 追証判定後、午前2時以降の任意の時間に執行 |
自動ロスカットとは?
自動ロスカットはFX会社が顧客の損失が拡大しないように、特定の証拠金維持率を割った場合に、自動でポジションを解消する事を言います。
この特定の値はFX口座によって異なり、A社は100%、B社は50%、C社は20%といった形で大きな開きがあります。
自動ロスカットの水準が100%に近い方が安全なのは間違いないです。
ただ、同時にレバレッジ25倍ギリギリの水準でポジションを取ってしまった場合、すぐに証拠金維持率100%未満となり、自動ロスカットになってしまうFX会社もあるので、自分の投資スタイルに合わせて選ぶ必要があります。
例えば「5万円で1万通貨のポジションを一か八かで取りたいんだ!!」という方は、自動ロスカットの証拠金維持率水準が50%等の会社を選んだ方が良いと思います。
もちろんこのページ下部に書いてあるような週末リスク等も理解した上で、です。
例:1ドル120円 最低必要証拠金48,000円、自己資金50,000円で1万通貨ロング(買い)、その後1ドル119.75に下がった場合。
マイナス25pips×1万通貨=マイナス2500円
50,000円-2,500=47,500円
最低必要証拠金48000円>口座残高47500円
証拠金維持率100%を割ってしまっている
自動ロスカットが100%で執行のA社:決済される
自動ロスカットが20%で執行のB社:決済されない
マージンコールとは?
マージンコールは証拠金維持率が100%等のFX会社の基準値を割った際に、「もう少しで自動ロスカットになる危険性がありますよ」というアラートの事です。
100%の業者もあれば、50%の業者もありまちまちです。
とにかく、自動ロスカットになる水準の手前の段階です。
FX口座によっては、ログイン画面上だけでなく、アラートメールを配信している所もありますので、気になる方はそういった基準でFX口座選びをしてもOKです。
下記GMO外貨の解説になります。
追加証拠金とは?
追加証拠金は、「追証」と略して言われたりもします。
FX会社は毎日指定の時刻に(早朝6時等NYクローズの時間帯が多い)、「証拠金維持率の判定」を行っています。
そして、この時に証拠金維持率が100%未満だと、追加証拠金が必要になります。
証拠金維持率が100%を回復する水準までの入金が必要です。
(もしくは100%超えるまでの個別ポジションの決済)
もし入金が出来なかった場合には、強制決済となり、ポジションが強制的に解消されます。
そして、この「強制決済になる時間」は各FX会社毎に異なります。
自動ロスカットと強制決済の違いとは?
自動ロスカットと強制決済をごちゃ混ぜにしている方も結構いますので解説を書いておきます。
自動ロスカットは冒頭で説明した通り、証拠金維持率がFX業者独自の基準値を割った時にポジションが解消される事を言います。
そして、強制決済は、その手前に「追証」があります。
証拠金維持率100%未満のまま、ニューヨーククローズ時点(日本時間6時)前後の「判定時刻」を迎えてしまった場合に、追証になり、そして、指定時刻までに追証の解消が出来なかった場合に「強制決済」となってポジションが解消される訳です。
ですので、自動ロスカットよりも、追証を挟む分だけ猶予はありますね。
追証が発生するFX会社としない会社
追証は「証拠金維持率を100%に回復する為」のものです。
ですので、元々自動ロスカットが証拠金維持率100%に設定されているFX口座は、その時点で自動ロスカットされてしまうので追証は発生しません。
追証が発生するのは、自動ロスカットの水準が100%未満で、50%や20%のFX口座という訳です。
毎日ニューヨーククローズ時点などに証拠金維持率が100%未満と判定され、各FX会社の指定時刻までに入金しなかったら強制決済となります。
(ニューヨーククローズとは日本時間早朝の6時前後の事です。夏時間と冬時間で1時間ズレます。)
※DMMFXなら証拠金シミュレーションがアプリから可能です。下記記事をご覧ください!
強制決済を回避する3つの方法とは?
ロスカットを避けるには、3つの方法があります。
1つは追加証拠金を入れる事、2つ目はポジションを個別に決済する事、3つ目は為替レートの水準が良い方向に戻る事です。
自分で出来る事は、1番か2番ですね。
2番のポジションを個別に決済する事について説明します。
例えば、1ドル120円で1万通貨×5個ポジション持っていたら、最低必要証拠金は25万円前後になります。
これを4万通貨に減らせば20万円前後が必要最低証拠金になります。
つまり、もし今まで証拠金維持率が105%等となっていたら、ポジションを縮小していく事で、為替レートが変わらなくても、証拠金維持率は120%、130%と増やして行けるという訳です。
ただ、決済したポジションの損失は確定してしまいますけどね。
ほとんどの場合、ポジションを持ち続けたい場合は、追加証拠金を入金する事になります。
しかし、こういう時は正常な判断が自分の中で出来ないので一度ポジションを決済した上で、追加出来るようなお金があるなら残金+追加の資金でフラットな状態で新しくポジションを建てた方が賢いやり方で勝率は高いと思います。
週末リスクであるギャップダウン(GD)には注意!
金曜日(土曜日早朝)に1週間の相場が終わった後の為替レートと月曜日に為替レートが動き出す時の差が大きい時があるので注意が必要です。
金曜の終値よりも月曜の始値が下がって始まる時をギャップダウン(GD)と言います。
反対に上がって始まる時はギャップアップ=GUです。
ご紹介したように、FX会社はそれぞれ自動ロスカットを強制的に執行する仕組みになっています。
100%だったり、低い業者だと20%だったりします。
ですので、基本的にはFX口座に入っているお金以上の損失を被る事はありません。
ただし、いくつか条件が重なると危険な状態になるので注意が必要です。
以下一例です。
・米ドル円の買いポジションを保有(ロング)
・自動ロスカットの執行が緩いFX口座を利用(例:20%)
・金曜日の終値の段階で証拠金維持率が25%などギリギリの水準
・週末に為替相場に重大な影響を与えるニュース等が流れる
・金曜日の終値で120円だったのが、月曜日の始値で119円スタート
・本来なら119.90等で強制決済されるはずが、119円での決済となり、口座残高がマイナスへ
ポイントは、自動ロスカットの執行が緩いFX口座を利用していた事と、金曜日の終値の段階で証拠金維持率が25%などとギリギリの水準だった事です。
週末の為替ニュースについては、「想像出来ない」「自分でコントロール出来ない」事も多々あります。
しかし、「FX口座の選択」と「ポジションの決済」は自分の判断で選択する事が出来ます。
ですので、覚えておくべき事は、金曜日の取引が終わりそうな時や自分がもう寝る時に証拠金維持率が危険な水準にあったとしたら、迷わず決済しておく事です。
どうしても大きな含み損を抱えていると、「ギャップアップで始まるのではないか?」といった淡い期待を持ってしまいがちですが、上手くいかない時は何をやっても上手くいかない事の方が多いはずです。
きっと今までの人生でも経験があると思います。
現在のFXはレバレッジが昔のように100倍、200倍といった事は法律で禁止され、最大25倍になりました。
この「レバレッジ25倍&自動ロスカットの組み合わせ」はFXに詳しければ詳しいほど、「口座残高がマイナスになる事はないな」と思いがちです。
しかし、一例で説明したように、ありえない事が起こるのが現実ですので、こういうケースも考えられるんだとしっかりと覚えておいて頂ければと思います。」
防衛ライン等も絶対とは思わない事
他にも注意が必要なケースは、国やヘッジファンドがこのラインは突破させない等と言われている時も危険です。
以前あったのは、ユーロドルのスイスの防衛ラインが突破された時です。
何ヶ月も防衛されていた為替レートの水準が、一気に突破され、数百pips、数千pips瞬間的に動いた時がありました。
日中の普通の時間帯に、です。
当然、FX口座にある資金以上の損失を出した人が続出しました。(ユーロ/スイス等日本人には馴染みの薄い通貨ペアが主体だったので日本の業者はあまりダメージは受けませんでした。といっても数億円・・。)
この時は、顧客の損失が大きすぎて(返済も見込めない)、外国のFX会社の中には倒産したケースもあったんです。
何が起こるか分からないのが相場なので、気をつけましょう。
守りたい人がいる時は、そこを攻めたい人もいるって事を頭の片隅に入れておくと良いです。
証拠金維持率の違いも戦略的に使い分けたいですね!
FX業者毎の自動ロスカットされる証拠金維持率の水準を再度チェックする
ちなみにFX会社は信託保全されている所なら基本的に安心感はありますが、それでも不安な方は自己資本比率が高いFX口座を選択すると良いですよ。