長期運用は、FXを始めたいけど、「頻繁に為替レートを見ているような事はしたくないなぁ」「のんびり運用したい」「時々為替を気にするくらいが丁度良い」といった方におすすめです。
デイトレードなどの短期売買よりも、がっつり大きな値動きを取ったほうが結果的に儲かったというケースも時々あります。
私の場合はデイトレードも長期運用も両方やっていますが、1年単位で見ると、どちらも収益率はあまり差はありません。
デイトレードで調子が良くても、一気に崩れる時もありますし、長期用のポジションで含み損を抱えても一気に改善される時もあるので、集計するタイミング次第かなと思います。
勝つ為に何より大切なのは、エントリータイミングだったり、長期的な視野にたった戦略がハッキリしているかどうか?だと思います。
損切りにしても予め決めておいた方が良いです。
どうしても一度ポジションを保有した後は冷静に考えても余計な事を思ってしまったりしますので、最初のノーポジの段階で戦略は立てるべきだと思いますよ。
時間的に余裕がある分、その間に相場の変化によって色々な情報や人の意見が入ってきてしまいますからね。
FXの長期投資で勝つ為に必要な事
・2国間の政策金利の変動、発表をチェックしておくこと(ファンダメンタルが変わると為替レートのレンジが大きく変わる為)
・該当通貨ペアの経済、政治的な情報をチェックしておくこと(ファンダメンタルが変わると為替レートのレンジが大きく変わる為)
・数円程度の変動で不安にならないこと
・数十円単位で利益確定するイメージでエントリーする事
・月足、週足など長い時間足のチャートを見ること(月足でこのラインを割ったら危険など認識しておく)
長期的に見たら為替相場は物凄く変動するから注意が必要
今でこそ米ドル円の相場は1ドル120円前後で変動していますが、つい3,4年前までは1ドル80円でした。
(最近116円台まで落ちたので、125円前後を高値にまた円高になるかもしれません)
よく「FXは1円の変動でもレバレッジをかけているから利益が狙える」といった事を聞きませんか??
また、「米ドル円は動きにくい、1日1円も動けば十分」といった事も見かけます。
しかし、数年単位で見たらこれだけ為替レートは大きく変動する訳です。
1ドル80円と1ドル120円を比較すると、40円動いていますね。
もしレバレッジかけずに(1倍)で買っていても、1万通貨で、80万円から120万円に増えた事になります。
反対に1万通貨売っていたとしたら、80万円から40万円に減った事になります。
これがレバレッジを「全くかけないで」「たった1万通貨だけで」この損益額になってしまう訳です。
なぜこのように大きく為替レートが変動したかは皆さんもご存知の通り、アベノミクス政策によってファンダメンタルズが大きく変化したからです。
「デフレからの脱却」「2%のインフレターゲットを設定」など、通貨安へ誘導するような政治が政権交代によって明確になったので、日本円は大幅に円安に振れました。
逆指値の注文は最初に発注した所から損失が広がる方へ動かすのはNG
FX取引をやる時は通常レバレッジを使いますよね。
「長期的な投資の場合、レバレッジは何倍くらいが調度良いですか?」なんて質問に「3~4倍くらいが丁度良いです」と答えているのを見かけたりもします。
私自身長期ならレバレッジはそのくらいが良いとは思っていますが、やはり損切りの逆指値注文を入れている前提ではあります。
これだけ相場が動く中、「例えば80円から売っていた場合、70円、60円と円高になるストーリーを描いていたはず」です。
そして、1ドル80円で売った(ショートした)時に、「1ドル100円までは戻るかなぁ~」とは絶対考えていないはずです。
考えていたら、もっと引きつけてショートしているはずですからね。
むしろ、1ドル100円までロングしているはずです。
ですので、少なくとも1ドル90円、100円になった時点では損切りをしていなければなりません。
思い描いたストーリーから外れる所に損切りラインを設定するのも賢いやり方の1つだと思います。
そして、きっと、1ドル80円のショートで当初ポジションを取った際には、損切りの逆指値は85円や86円といったレベルに置いてあったはずです。
(損小利大の考え方で考えると)
この点で、「ポジションを取った時の逆指値の注文を不利な方、損失が広がる方に広げるのはNG」だと言えると思います。
スワップポイントは変動するし、プラスからマイナスへ転落する事もある
長期的な投資をする際には、多くのトレーダーがスワップポイント目的の運用を始めます。
政策金利の高い外国通貨を買って、日本円を売る取引が中心だと思います。(豪ドル円、NZドル円、南アフリカランド円、トルコリラ円等の新興国)
日本にいるとず~っと低金利なので、馴染みもないので、初心者のFXトレーダーさんは注意が必要なのですが、外国の通貨、特に高金利通貨はよく金利が変動しています。
それも、1回で0.25%、0.50%とググッと下げたりします。
大体毎月1回発表が行われていますよ。
そして、世界的な金融危機が起こったリーマンショックの後の世界各国の政策金利を見ると分かりやすいですが、一気に下がっています。
元々低金利だった日本よりも低金利になったりしています。
日本は当時0.50%で現在0.10%と変動は少ないです。
しかし、例えばユーロは当時4.0%で現在は、0.05%と超低金利です。日本以上の低金利です。
つまり、これって当時ユーロ円を買っていれば、1万通貨あたり毎日70円なり80円なりのスワップポイントが貰えていたのが、現在ユーロ円をそのまま持っていたら逆にスワップポイントを毎日5円なり10円なり支払いをしなければいけなくなってしまったって事なのです。
「マイナススワップ」と言われ、買っているのに、スワップポイントを支払う状態ですね。
※上記は外為どっとコムにあるデータです
また、一番下はスイスですが、「マイナス金利」になっています。
現在マイナス1.25%の政策金利です。
「マイナススワップ」や「マイナス金利」なんて言葉は聞いたことないって方もいると思いますが、こういった現象・変化がFXで長期的なポジションを持っていたら起こる可能性があるという事は頭の片隅にでも入れておいて頂くときっと役に立つ時が来るはずです。
長期投資における損切りの考え方
長期投資においては、損切り幅も必然的に大きくなるので、しっかりとしたマイルールが必要です。
取引回数も多くないので、毎回違ったルールで損切りをしていると「たまたま儲かった、損をした」というトレードの繰り返しになってきます。
ですので、~pipsで損切りだったり、~円になったら損切りなどマイルール通りに淡々と執行するべきです。
ファンダメンタルズが大幅に変わった時は損切りのタイミングになりえる
ファンダメンタルズが自分のポジション方向に変わってくれたら特に問題はないですよね。
例えば、南アフリカランド円(ZAR/JPY)を7円で買っていて、政策金利が上がったとなれば基本的には円安方向に動くので、今まで通りの考え方、ポジションで大丈夫です。
ただ、逆の動き、例えば、政策金利を下げますよといった場合はその時点で「投資した時の前提が崩れている可能性を考えるべき」です。
「スワップ運用をやろう!」と考えている人が、「スワップポイントが1日100円から60円になりました」となったら考えなおす必要はありますからね。
それは、もっと下がりそうだから一旦全て決済して、ノーポジにしてから「~円まで下がりそうだからそこで買い直そう」といった考え方も出来るはずです。
また、「別の通貨ペアの方がスワップ運用に適しているのではないか?」といった様に、”一度頭の中を真っ白にして考えなおす事が大切”です。
前提条件が崩れている訳ですから。
治安や政治・政権交代にも注意が必要
また、スワップポイントが高い新興国の場合は、経済情勢やその国の治安といった面で大幅な変化が起こる事があります。
2015年途中からの南アフリカランドがまさにそうですね。
政治がギクシャクしだし、インフラもヤバイのではないか?といったニュースが飛び交うようになっているので、塩漬けにしておいて、以前のレートに戻るのか?という不安があります。
まさに前提条件が変わってしまったケースです。
スワップポイントだけ出金可能なFX口座はここ
長期的な投資となると、上手く行けば数年単位でポジションを保有している事もあります。
そして、高金利通貨を持っていたり、そこまで金利は高くないけど、レバレッジ2倍、3倍で持てているような場合はスワップポイントがかなり溜まってきます。
そのような状況になった時に、「ポジションは決済したくないけど、スワップポイント分だけ出金したい」「スワップポイント分を引出し、複利で運用したい」といった考え方が出てきます。
そして、FX口座によって、スワップポイントのみの引出しが可能か不可能かが分かれます。
そもそもスワップポイントが高いFX口座である必要がありますが、その上で、ポジションを決済せずにスワップポイントのみ引き出せるFX口座を選ぶとより長期的な投資がしやすい環境に出来ると思います。
スワップポイントが高め&スワップポイントのみ出金可能でおすすめは、DMMFX、GMOクリック証券、外為ジャパン、SBIFXトレードです。
最近だとスワップポイントで群を抜いて高いのがヒロセ通商なので、スワップのみ引出しを特に気にしないのであれば、ヒロセ通商がイチオシです。
※ヒロセ通商はスワップのみ引出しNGです。ただ、固定で高いスワップポイントを提示してくれており凄く魅力ありますよ