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スタグフレーションとは?円高、円安どっちに動く!?

スタグフレーションとは簡単に言うと、労働賃金が上がらずに(むしろ下がる)、物価が上昇していく現象の事を言います。
ですので、生活していく上でかなり苦しい状況になります。

「賃金が上がらない」「雇用状況が改善されない」中での「物価上昇」ですから、生活コストは増大しているのにも関わらず、収入は増えないという状況に陥るのがスタグフレーションです。

1つ1つ丁寧に見ていきたいと思います。

スタグフレーションの意味とは?

スタグフレーションとは、実は2つの単語の合成語になります。

停滞の意味がある「Stagnation」といわゆる”インフレ”の「inflation」の2語が組み合わさって、1960~70年代頃から使われ始めました。
不景気とインフレが同時に起こってしまう現象なんですね。
70年代の2回に渡るオイルショックが代表的なスタグフレーション事例と言えます。

スタグフレーションはなぜ起こるのか?

スタグフレーションは需要>供給の時に起こります。
インフレも需要>供給の時に起こるのでこの点は同じなのですが、雇用状態に違いがあります。
働きたい人が全員働ける=完全雇用水準を満たしていれば健全なインフレと言え、完全雇用水準を満たしていない、働きたいのに仕事がない状態が進むとスタグフレーションになっていきます。

一般的にはインフレが起こって物価上昇傾向に入れば、同時に労働者の賃金も上昇し、雇用も拡大していきます。
景気が良くなり、世の中のお金の流れが良くなって行くからです。

しかし、物価上昇と雇用拡大の歯車が一度崩れるとスタグフレーションに陥る危険が増大します。
行き過ぎた物価上昇は企業の投資活動を抑制させます。

生活必需品のコスト高

過去のスタグフレーション事例を見ても、オイルショック等原油価格が影響している事が多いのですが、原油や食料品などの生活必需品に代表される急激な物価上昇は生産コストを押しあげ、個人や企業の投資意欲を大きく減退させます。
供給不足が原因の1つになっています。

戦争等で原油高

そして、第一次、第二次オイルショックの背景には中東戦争があり、原油価格と戦争・内乱・紛争の強い結びつきにより、世界情勢の混乱がそのままスタグフレーションを引き起こしてしまう可能性があるのです。

当時は、現在のように輸入先の分散(中東に依存)や原子力、太陽光などの別のエネルギーの開発がまだ進んでいなかったのもスタグフレーションの進行に拍車をかけた原因の1つと言えます。

スタグフレーションは円高になる?円安になる?

スタグフレーションの大きな要因の1つである原油高ですが、「原油相場」と「米ドル円相場」の相関関係を確認すると円高、円安の傾向が分かりやすいです。
というよりも、ドル安、ドル高と言った方が正しいかもしれません。

円高とは

2016年には大幅な原油価格の下落が起こっていますが(1バレル30ドルを切る水準)、それと反するように長期的に見ると米ドル円相場は「円安」に動いています。
円安”ドル高”です。

原油は1バレル~ドルといった形でドルで価値を計られますが、ドルが強くなると原油が安くなる、ドルが弱くなると原油が高くなる傾向があります。
ドル円の為替相場と原油の相場は反するように動く事が多いので、この点は注目しておきたいです。

スタグフレーション事例

日本のスタグフレーション

日本は1970年代の第一次オイルショックが起こった不景気の時代にスタグフレーションになりました。
景気が停滞し、デフレ傾向で賃金が下落傾向にある中、物価上昇の圧力が強く、深刻な状態でした。

また、2000年台中盤には、当時、日銀の白川総裁が「スタグフレーションに陥る可能性がある」とコメントした事がありました。
この背景には、中国等の新興国の台頭により、原油の需要が増え、それに伴い、原油価格も上昇し、石油危機の悪夢がちらつきました。

ただ、2008年9月にリーマンショックが発生し、100年に1度と言われる世界的な大不況が起こった事によって、原油価格は一転大幅な下落になり、皮肉なことにスタグフレーションは回避する事が出来ました。

その後は申告なデフレスパイラルが進むので、インフレを含めて、ある意味で紙一重の差とも言えるかもしれません。

アメリカのスタグフレーション

アメリカは1979年の第二次オイルショックの頃に、スタグフレーションに陥りました。
いわゆる「コストプッシュインフレ」と言われるもので、石油危機により原油価格の上昇が起こり、生産コストは増大して、雇用は減少、10%近くの失業率になったのです。
行き過ぎたインフレと不況の二重の苦しみは社会を混乱に陥れました。

スタグフレーションの対策・解決策は?

スタグフレーションの原因の多くは供給不足にあります。
ただでさえ、賃金の下落や失業率の増加により景気が悪化している状況において、需要を抑制しようとすると、更なる景気悪化を招く可能性が高いからです。

ですので、供給力を強める事が、スタグフレーションの有効な対策方法と言われています。
規制緩和や技術革新等で生産効率を良くして、企業の投資を促す方法があります。

戦争や内乱等の原油価格の上昇は、それらの原因が解決すれば次第に状況は改善される傾向にありますのでちょっと事情が異なりますね。
ですので、原油価格の上昇の場合は、その要因・原因は何かを考える事が大切です。
戦争なのか?それとも中国等新興国によるそもそもの需要拡大なのか?といった点ですね。

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